徒然子日記

社会人女子大学院生の徒然日記

お茶の水女子大学院 専門分野試験の勉強方法について

お茶の水女子大学院を社会人枠で受験しました。

社会人枠といっても在学生と同じ受験ステップが必要な中、情報があまりのっていなくて受験時にすごく不安だったので、この経験が誰かの役に立てばというのと、自身の備忘録のために、大学院受験時に設けられている専門分野試験の勉強方法を記載します。

 

(過去問題について)

受験校をある程度調べて絞ったら過去の専門試験問題をHPからダウンロードしておくことをお勧めします。HP上には過去3年分しか載っていないことが多く、私は受験準備に1年半かかったので、1年経つと4年前の過去問題が削除される代わりに新しい試験問題が掲載されていました。

大学の時のように赤本などはないし、在学生のようなツテもないので、1つでも多く過去問題が手元にあると安心感があると思います。

 

過去問を用意したら過去の問題を眺めて傾向を分析しました。

私が受けたお茶の水大学の試験は、60分の筆記試験の中で3問中2問を選択するのですが、大問1つの中に小問題がいくつかあり、文章を読解して下線が引いてある箇所の言葉の意味を回答したり、自分の考えを述べる小論文方式でした。そして大問中3問の内1問は英語文章で問題が出されていました。

 

問題を眺めた上で、問題の傾向は、

図表の読み取りや、1つの社会的要因の背景理解と説明、用語の定義、考察、問題解決策、事例の説明、影響、メリット・デメリットを述べる必要があり、

ジェンダーに関する時事問題や社会学(神学、気候変動、雇用)も幅広く問われているのかなぁと考えました。

 

(専門分野試験の具体的な対策方法)

問題の傾向より、対策として具体的には以下の4つを実践しました。

 

1)時事問題対策としてジェンダー関連のニュースを過去も含め追いかける

2)男女共同参画白書などの政府が発刊しているジェンダーに関する本(データ集)を読む

3)過去3年で施行された法律や内閣官房のHPを読み、ジェンダーに関連する法律を追いかける

4)上記で出てきた単語や言葉をノートにまとめ、意味を理解・暗記し、言葉の説明や問題点・解決策などを400字前後で述べられるようにする

 

上記について詳しく説明します。

 

1)時事対策

日経に加入していたので、キーワードで「ジェンダー」「女性」「男女」を検索して、過去3年分(日経で調べられるのが過去3年分だった気がします・・)の記事をすべて読みました。

ただ読むだけではなく、記事の中にでてきたキーワード「アンペイド・ワーク」「子宮頸がん」「合計特殊出生率」はノートにメモし、言葉の意味を調べる。

→そしてそのキーワードをまた日経の中で検索し、関連記事を読む。

→キーワードをノートにとって言葉の意味を調べる

→関連記事を読む。

ということを繰り返し、どんどん深堀りをしていきました。

 

なぜその問題が生じているのか?関連する問題はなにか?解決するにはどうすればいいか?日本で生じている問題は世界ではどうなっているのか?

キーワードだけでなく背景まで理解し、自分の言葉で説明できるようになるまで徹底的に調べていきました。

 

2)ジェンダーに関する本を読む

男女共同参画白書など政府が出しているデータブックから学べることはたくさんあります。

問題を作る教授からしたら大変良い材料でもあります。

しかし、大学院の試験なのでこのデータブックの資料に載っていることは基本中の基本であり、データブックの図表をそのまま使用するような問題はきっと出ないとも思っていたので、

単に図表を眺めるだけではなくて、1つ1つをきちんと理解できるように心がけました。

 

過去の統計と現在の統計の比較が大体のっているので、なぜ統計が変わっていっているか、その数字の低さや高さの社会的背景は?問題点は?解決策は?

と新聞の読み取りと同様にこちらも1つのデータから深堀りしていきました。

 

3)国の施策を学ぶ

女性が活躍できる場を広げるためには法律の改正や法律の整備が必ずあります。

今のままのルールでは通用しないので改正などが行われているのです。(例えば育休など)

ということは、最近できた法律や政府の動向を調べると現在の社会問題に直結していることが分かります。

 

そこで、改正された法律を調べ、過去はどうであったのか?改正により何が変わり、何が期待されているのか?なぜ改正することになったのか?

を調べてノートにまとめていきました。

 

4)説明する文章を組み立てる

1~3を実践することで膨大な単語・社会事象のデータが手元に集まっていると思います。そして改めて眺めると1つの事象は他の事象とも関連していて複雑に絡み合っていることもぼんやりと分かってくると思います。

 

ノートにまとめた単語の意味(例:性的マイノリティ、労働力率、GGCI、賃金格差など)を自分の言葉で述べることができるか、そしてそれが問題視されている背景、解決策を400文字前後で説明する練習をしました。

 

400文字前後としたのは大学院の試験問題の数と、制限時間より、1問400文字前後の回答が妥当だろうと考えたからです。

大学によって問題数や時間が異なると思うので自分の大学にあった字数を検討することをお勧めします。

 

(その他のおすすめ)

小論文対策は、なんとなくわかった。で終わらせずに、とにかくどんどん深堀して徹底的に理解できるまで調べていくことをお勧めします。

 

関連していくことまで調べていくとすごく時間がかかるので、全然進んでいないような気がして途方に暮れるかもしれませんが、小論文試験とは自分の考えを文章に表すことであるので、表面上の理解や、上辺の知識では字数が足りなくなり、上辺の理解であることが透けてみえると思ったので「急がば回れ」と自分に言い聞かせて勉強していました。

 

また、「理解できた」と思ったら友人や家族にその言葉の意味や社会的背景を説明してみることをお勧めします。

手で書いているのと、言葉で話すというのはけっこう違います。

 

(どうしても不安だったら)

どれだけ頑張っても、社会人受験はものすごく孤独で、ツテもない場合はその他の受験生と比べて自分がどの位置にいるのかもわからずに不安をぬぐえない時もあると思います。

SNSで自分と同年代の友人が楽しそうにしている姿を見て「私は何をしているんだろう」と思ったりすることもあるかもしれません。

そんな時は、「不安がなくなるまで努力する」。これしかありません。

 

自分が努力してきた時間を可視化することで、これまでの努力の蓄積が目に見えて安心に変えられるように、「集中」というアプリを使っていました。

勉強する間だけONにすると、1日、1週間、1ヶ月、1年単位で勉強した時間を記録してくれます。

その棒グラフを眺めて、「これだけ頑張ったんだから大丈夫」「先月よりは勉強できたぞ」と自分を鼓舞していました。

 

後は、最後の神頼みということで受験用のお守りを買ったり、試験前日にはトンカツを食べました。笑

そんな小さなことも、大事だと思います。

 

この歳で、とか、社会人になってるのに。とか、思うこともあるかもしれないけれど社会に出たからこそ本当にやりたいことが見えてきたり、社会での経験を活かせることもあると思います。

人生100年時代!今日が人生で一番若い日!!やらない後悔よりやる後悔!ということをよく自分に言い聞かせていました。

 

この情報が誰かの役に立ちますように。